紹介している卒業生は短大の卒業生です。大学は2009年3月に1期生が卒業します。
私がブランド“BILLITO”を立ち上げたのは留学していたパリ・オートクチュール校を終えて、そろそろ日本に帰ろうかなと考えていた頃です。
ネックレス、ブレスレットといったアクセサリーやバッグなどからスタートした私のブランドでしたが、服も始めたころ、勧められてパリ・コレクションのプルミエールセッションに作品を出展したところ、バイヤーやジャーナリストの反応が上々だったことがきっかけでした。最近では、神戸ファッション協会の方々のお蔭で、ミラノでもコレクションを開けるまでになりました。
幼い頃から服をつくることが大好きだった私は、中学生の頃に知り合ったデザイナーの影響を受けてファッションに興味を持ち、将来の目標をファッションデザイナーと決めました。短大や専門学校で学んだ平面製図や立体裁断は今の私の仕事に大変役立っています。感性だけでなく、学校で学んだ服づくりのしっかりとした技術がパリ・オートクチュール組合学校への留学へ、また、パリでのデザイナー活動につながっていると思います。
ファッションはクリエイティヴで終わりがなく、つねに次への目標が持てるので、私はこの仕事が好きなのです。自分の洋服がブティックに並んだり、私のデザインした服を着ている人を街で見かけたりする時が、デザイナーになれて良かったと心の底から感じるときです。


- 伊藤 廣美
- オリジナルブランド
BILLITO デザイナー
ライカ生活10年目の私は、メンズアパレルデザイナーです。日々の業務は、モノの造り込み。情報を収集し、シーズンマップを作成し、素材を収集し、グラフィックでデザイン画を描く。サンプルを造り込み、展示会で受注を取る。商品が店頭に出るまでの間に生地のデーターやサイズバランス、仕様面や着心地を入念にチェックし、完成度の高いものを生み出す。これらの主な仕事は、一歩間違うと単なる品質規格的発想のモノ造りに転落し、繰り返し訓練さえすれば誰にでもこなせる作業になりがちです。
このサイクルの中で肝心なのは、モノを見る感度と知識だと言えるでしょう。知識は、学生時代を含め授業や研修、仕事を通し学ぶところが大いにありますし、探究すれば尽きることなく広がり、また得ることができるでしょう。感度は各々のファッションに対する感覚的な部分です。一言で言えばセンスというものですが、これもまた学ぶことにより感度を上げ、興味と好奇心から生まれる敏感さは育つものだと信じます。この仕事の面白みはそこにあるでしょう。
見る・触れる・感じることで、日々感性を磨き上げ、それは必ず仕事に反映されます。学生でも、社会人でも、感覚を育てるという環境に大きな違いはありません。どんどん新しいモノを、よくよく伝統的なモノを、多角的に感覚を広げてください。覚えた感覚こそがこの業界の知的財産です。これは誰彼なく私自身へも含めたメッセージ。いつの日か同じフィールドで後輩達に巡り会えることを楽しみにしています。


- 金谷 英子
- (株)ライカ アパレルデザイナー
将来を想い描く時、今の自分が何にチャレンジしてみたいのか・・・・。私は、小学生の頃からファッションショーなど服飾関係に興味を持っていました。高校卒業後、服飾学科を持つ神戸文化短大を選び、親元を離れ2年間の寮生活を過ごしました。
振り返ってみると、短大生活はたくさんの課題に追われる日々でしたが、この2年間で学び、体験してきた事が現在の私の大切な基礎となり、色々な仕事のシーンに活かされています。
短大卒業後は、プレタポルテの婦人服のパタンナーとして8年間勤務した後、現在の会社でワーキングウェアのパタンナーをしています。営業企画からのサンプル依頼書をもとに、パターンを引き、必要に応じて部分縫いや仮縫いをし、本生産へとつながる仕様書を作成します。以前手書きで行っていた仕様書作成は、パソコンソフトが導入されてからは画面上でデザイン画、附属類、裁断仕様、部分的な縫製説明にいたるまで、アイテムごとに作成しています。
短大では、縫製の基本から応用まで、また、ファッションドローイング等では仕様書作成時に必要なデザイン画の描き方を、パタンナーになる為の基本である平面製図や立体裁断の授業も充実したものでした。当時は、福冨芳美初代学長が服飾史の講義をなさっていて、その中で先生のパリ留学時のたいへん貴重なスライド写真を見せて下さいました。そして、若い時に多くのものを見、体験し、刺激を受け感性を磨くことの大切さと、こういった経験をすることのできる環境の中にいることへの感謝の気持ちを忘れてはいけない事を教えて下さいました。それぞれの講義でも、忘れられない先生方からの言葉は深く私の心の中に刻み込まれています。
また、2年間の寮生活では、他の学科の人達とも交流ができ、深夜までともに課題をしたり、時には相談に乗ってもらったりと共同生活の楽しみも体験できました。今になって思うことは、学生時代は社会人とは違い自分のために費やせる時間を持っていて、いかに有効に過ごすかで将来の自分自身のあり方にも影響するということです。信念を持ちつづけ、大切な時を大いに活用し、充実した学生生活を送って夢を現実のものとして下さい。

- 岡本 明美
- (株)寅壱 企画部 パタンナー
「BROOKS.」は、主人の経営するメンズとレディスの服から小物までを揃えるカジュアルウエアのショップ。1年前から主にレディスの仕入れから販売までを担当しています。アメリカからの輸入物も多く扱い、学生から主婦まで客層も幅広いお店です。商品を通していろんな人と出会える毎日が楽しくて仕方ないですね。
短大を卒業後、姉妹校の神戸ファッション専門学校の3年生に編入、短大・専門学校を通してパタンナーになるための勉強をしてきました。パタンナーとはデザイナーが作ったデザイン画をもとに「パターン(型紙)」を作る仕事。専門学校卒業後は、ニット製品のメーカーでパタンナーとして7年間勤務しました。
デザイナーの意図をくみ取り、デザイナーが望むレベルのさらに上のものを作るよう心掛けていました。ファッションアドバイザーとして働く今も、パタンナー時代に得た知識は役立っています。パタンナー時代は展示会などに赴き、それを小売店に伝える仕事もしていました。その想いも数々の流通経路をたどる中で消えてしまって、なかなかお客さんに伝わらない。だけど作り手だった私にはそれができるのかな、と思っています。
現在、店舗の2階部分をカフェスペースにしようと構想中。将来は2号店を出すのが夢。そのためにも、たくさんのお客さんに愛される店づくりをしていきたいと思っています。

- 小川 沢美
- ブティック「BROOKS.」経営
私の今の仕事の内容は、住宅を中心とした建物の設計です。お客様と打ち合わせしながら間取り、デザイン、内装などを決めていきます。完成するまでは本当にどんな建物になるかドキドキしますが、できあがって建物が自分のイメ−ジ通りに完成し、お客様に喜んで頂けた時には本当にやりがいのある仕事だと実感できます。
建築は男性の仕事というイメ−ジが強いようですが、キッチンなど女性ならではのきめ細かい設計がお客様に好評です。短大を卒業後は建築工務店に勤務。一口に建築と言っても工務店では設計だけでなく企画・設計、積算、施工まで多様な内容の仕事があります。建物の種類も住宅、事務所、ビル、工場と様々です。私は主として設計を担当していましたが、工務店で実際に建物ができあがるまでの過程を間近で見ることができ、その後の設計活動にとても役立っています。
1級建築士に合格することができたのも短大で学んだことが仕事に生かされ、もっとレベルの高い仕事をしていきたいと思うようになったことと、先生が女性の1級建築士であったことがこの資格を取るきっかけとなりました。大学や短大で学ぶこと、出会う人々は、将来の自分の進む方向を決める貴重な宝物。自分の目標に向かって大切に時間を過ごしていって欲しいと思います。


- 前田かおり
- 住友不動産(株) 1級建築士
最近のお客様は、もの自体の質感など本物志向になってきています。インテリアショップでは一昔前と違い、家具やテキスタイルの提案はもちろん、リフォームや、住宅の提案など空間を扱う領域が広くなってきました。現在、マンションモデルルーム、モデルハウスの企画・提案、コーディネートスタイリングまでのコーディネート、コークリエイト住宅(プレハブメーカーとの提携住宅)の企画・提案などの業務を主に行っていますが、この仕事で重要なポイントは、インテリアや建築の知識、技術はもちろんのこと、在庫、物流、商品のクオリティーから、契約手続きまでビジネス知識も身についていないと、提案はできないということです。
大学で学んだ建築やインテリア、造園設計の仕事、インテリアショップ・アクタスでの営業の仕事、それらの経験がプランナーという現在の仕事に大きく活かされているように感じます。世の中は常に流動しています。インテリアの世界ではすでにファッションとの結びつきが明確で、経験豊富なファッションデザイナーが、空間をデザインするケースも増えてきています。そういった意味で、ファッションの領域の中でも「空間」という概念は必要不可欠だと感じています。
この仕事では、人とのつながりがとても大切です。現場では、専門知識だけでなく、教養ある人が求められています。大学では、色々なものをしっかり見たり学んだりするとともに、人やモノに対しての思いやりの気持ちをじっくりと育てて人間性を高め、教養を深めてほしいものです。


- 濱吉 隆
- アクタス六甲店 プランナー







